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Anime Studio Pro 10の解説ページ

2015年11月06日
Anime Studio Pro 10 -アニメの骨格"Bone"-
今回は、「Bone(英語:骨・骨格)」という機能を使って簡単なアニメを作ります。

もちろん、前回のようにキーフレームごとに図形を変形させると、Boneを使わなくてもアニメを作ることができます。

今回紹介する、人やロボットの関節を曲げ伸ばしするなど、複雑な動きを滑らかに仕上げる際に役立ちます。

まずは、これから作るアニメの完成形を見てください。理科の教科書に載っているアレです。
正式名称は、ニュートンのゆりかご (英: Newton's cradle) というそうです。

アニメサンプル

では、早速作ってみましょう。



1.各パーツを作って配置する。


これまでの記事と以下の補足を参考に、以下のようなレイヤー構成で、長方形・丸を並べてください。
レイヤーの構成(その1)

【補足1:レイヤーについて】
レイヤーについてはまだ説明していないので、ここで少し紹介します。
詳細な機能については、ツール紹介編(仮題)で解説する予定です。

レイヤーは日本語で「層」を意味しており、各パーツを重ねることで、一枚の画像を完成させるしくみです。
透明なフィルムに各パーツを描き、それらを重ねて画像をつくるイメージです。

今回のアニメのレイヤー構成を詳しく見てみましょう。

まずは、「ボール」というレイヤーグループがあります。
これは、複数レイヤーをひとまとめにする入れ物のようなものです。
その中に、ボール1-5という名前で、「糸とボール」を組み合わせたレイヤーが5本分入っています。
土台レイヤーには、ボールを支える底板・天板・柱を入れています。

レイヤー詳細


図形描画用のレイヤーを追加するには、LayersパネルのNew Layerボタンをクリックし、[Vector]を選択してください。

レイヤーグループを作成する場合は、New Layerボタンをクリックし、[Group]を選択してください。
レイヤーをグループの真下にドラッグすると、赤い線がでる場所があるので、
そこでマウスをはなすと、レイヤーをグループに追加できます。

Anime Studio Pro 10 レイヤーの追加 Anime Studio Pro 10 レイヤー操作ボタン


【補足2:方眼紙について】

画像や図形を配置する際に方眼紙があると便利です。
今回は自作のものを使用しましたが、インターネットで「方眼紙+ダウンロード」と検索すると、
各種サイトからダウンロードすることもできます。

ダウンロードした方眼紙をドラックアンドドロップで「Layers」の中に入れると、
方眼紙を表示することができます。

なお、出力結果に方眼紙を含めないように設定することができます。

レイヤー名左端の逆三角(▼)をクリックし、[Don't render this layer]にチェックを入れて、
[Apply]をクリックします。設定画面を閉じるには、画面の何もないところをクリックしてください。

Anime Studio Pro 10 特定のレイヤーを表示しない

2.土台レイヤーを変形させる

土台が味気ないので、土台の天板を上に持ち上げて、山型に変形させます。


[Draw]ツールの最上段左から3つ目の[Add Points]ツールを選択し、
天板の中央あたりを持ち上げるようにドラッグすると、頂点が増えて山型に変形します。

3.「Bone(骨格)」を設定する。

 Anime Studio Pro 10 Boneレイヤーの追加  レイヤー「ボール1」と「ボール5」とに、Bone(骨格)を設定します。
 レイヤーを追加するときと同じ要領で、[New Layer]ボタンをクリックして、[Bone]をクリックしてください。
 すると、[Bone1]という骨格のレイヤーができるので、分かりやすい名前を入力してください。
 ここでは、元のレイヤー名と同じ、「ボール1」・「ボール5」という名前を入力するものとします。
 「ボール1(骨)」・「ボール5(骨)」など、Boneレイヤーであることを明確にしても構いません。

 Boneのレイヤーができたら、元の図形レイヤーをBoneレイヤーに登録します。
 図形を描いたほうの「ボール1」レイヤーを、Boneの「ボール1」レイヤーの真下にドラッグすると、
 赤い線が表示されます。
 その状態でマウスを放すと、Boneレイヤーの1階層下に「ボール1」レイヤーが入ったことを確認できます。

4.「Bone(骨格)」を、キーフレームごとに動かす。

Boneのレイヤーを選択した状態で、[Tools]の[Bone]から[Transform Bone]を選択してください。
すると、マウスカーソルが「Anime Studio Pro 10 Transform Boneのカーソル」の形に変わります。

この状態でマウスを左右に動かすと、Boneに登録してあるレイヤー(この場合はボールと糸)が、
Boneの頂点を中心に回転します。

下の図で、ここまでの流れを確認してください。

Anime Studio Pro 10 Transform Boneの使い方Anime Studio Pro 10 Transform Boneの使い方(アニメ)

では、ここまでの操作方法と以下の表をもとに、「ボールと糸」に動きをつけてみてください。
今回作成するアニメは全部で96フレームで、キーフレームは、24・48・72・96の合計4箇所です。
(フレーム数の設定を忘れないでください。設定方法は前回の記事を参照してください)

表中の緑色で書いた部分が、Boneを動かすところです。
なお、「原点」とは一番はじめにボールがあった位置(ボールが土台に対して垂直な状態)のことです。

また、ボール5の48フレーム目については、ボールを少し右または左に動かして、元の位置に戻すと、
キーフレームを追加することができます。

  ボール1 ボール5
24フレーム目 左端で停止(空中) 原点で停止
48フレーム目 原点へ戻る  原点で停止
72フレーム目 原点で停止  右端で停止(空中)
96フレーム目 原点で停止 原点へ戻る

Boneを追加するところから、キーフレームの設定が終わるところまでの作業をGIFアニメにまとめました。
説明がわかりにくければ、参考にしてください。

Boneの追加と設定

5.アニメが想定通りに動くことを確認し、出力して完成。

前回の記事を参考に、アニメを再生してみて、問題なければ出力してください。
長くなりましたが、今回はこれで終了とさせていただきます。
お疲れ様でした。

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